Archive for February 2009
27 February
続・特殊浴室
入浴装置が設置されたので、連続で書き込みます。設置に時間がかかるという話だったのでゆっくり
出かけていったのだが、到着したときには既に設
置済みだった。「入浴装置」って言うだけあって、
装置っぽいデザインだなー、
分かってはいたけれど・・・。
後部にドアがあって、専用の車椅子でそのまま入
れる構造になっている。車椅子の脚(車輪)の部
分と座の部分がステンレスパイプで繋がっていて、
脚は浴室の床にあり、座は浴槽の中に入る、浴槽
の底をステンレスパイプが貫通するわけだ。浴槽
にお湯を入れたとき、この部分からお湯が漏れな
いように閉じる仕掛けになっている。
装置の側面に操作盤やシャワーがあって、介助者
には使いやすく出来ているようだ。テストも既に
終わっていたらしく、入浴装置の内側が濡れてい
た。
入浴には立ち会うわけにはいかないが、近いうち
担当の職員の方から状況を聞いてみようと思う。
特殊浴室
建築確認上の主要用途が「特殊浴室」という微妙な名称の建物が完成した。
実は社会福祉施設の車椅子対応の浴室で、「座位入
浴」(車椅子で入れる)用の入浴装置が中に設置さ
れる。こうした施設には一般解がないので、施設で
働く方々にいろいろと教えていただきながら設計し
た。考えてもみなかったことなどがあって、とても
勉強になった。いつもながら依頼者に教えてもらう
ことは多い。
気持ちの良い浴室を作るように心掛けたが、どこま
でできたか。利用者の方々の反応がどうなのか少々
気になる。床と腰壁は断熱タイル張り、壁・天井は
ヒバ材を張った。浸透性の保護塗料を塗ってあるの
だが、ヒバの香りで一杯だ。人工的な香りと違って
すがすがしい。
明日は入浴装置が入る、設置に丸1日かかるそうだ
が、これで完成!
09 February
保育園
保育園の現場に朝から色決めに出かけた。しばらくすると、園児達(年長さん?)が工事中の
建物を見学にやってきた。引率の保育士さんから、
「静かに見ましょう」「仕事の邪魔をしないように」
などの注意を受けてから建物に入ってきた。
といっても、ここで盛り上がらなければ子供ではない。
集団の周辺に位置取った子供達は,我慢しながらも
それなりに盛り上がっていた。
最近は見かけなくなったが、以前は建築現場には単なる
見学者がよくいたものだ。
ものを作っているのが面白くて、ただそれだけの理由で
見ている大人や子供がいた。
今は管理責任が異常に強化されたり、モノ作りが制度化
されすぎたからなのか、こういった人達がいなくなった。
本来面白いはずの建築現場がつまらなくなったからだ・・・。
楽しい現場には夢や冒険があるから、面白い建築ができ
る。豊かな生活を作る舞台となるのはそんな建築なのだ。
06 February
終の棲家 006
工期が長引いてしまったが、ついに竣工。工務店は、かかってしまった時間に見合っ
たとても丁寧な仕事をしてくれた。
直ぐにでも入居したい建築主のKさんにお
願いして、今日は撮影に1日、時間をいた
だいた。撮影はいつもお願いしている写真
家のA氏。今まではカラーのポジで撮って
もらっていたのだが、今回初めてデジカメ
による撮影(建築の撮影)。ということで、
結構手間取るかと思ったのだが、いつもよ
り短時間で終了した。といっても、夕方の
撮影が必要なので丸一日はかかってしまっ
たが・・・。
改めて全体を見てみると、設計や施工に
手間と時間のかかっているところ程、仕上
がりが良い。まあ当然と言えば当然なのだ
が・・・、「手間と時間は惜しむな」肝に
銘ずべしかな。
今日は1日現場で過ごしたので、光の変化が
良くわかった。事情があって控えめに設計し
た照明は、内壁が漆喰なので思ったより明る
かった。照明器具が少なすぎたか心配してい
たのだが、一安心といったところ。
後はKさんご夫妻が、どこまでこの住宅を楽し
むことができるか、こちらの想像力も試される
ことになる。